句集紹介
年末に届いた秋田の川柳仲間の句集。
斎藤泰子川柳句集『フツー』
題の付け方がかっこいい!
好きな句を5つ。
ただいまと何もなかったように言う
夕刊があるテーブルに流れつく
笹の葉がこすれるような胸騒ぎ
コーヒーは苦いし外は吹雪だし
もう少し沈めば泥になれるのに
今年一番最初に読んだのは、ねじまき句会の仲間、青砥和子川柳句集『雲に乗る』。
日常と非日常の縁にいる雰囲気の小道具が、とってもかっこいい!
魔除けとか耳とか白詰草とか最中の皮とかイオンとか。
手の中の海を息子が見せにくる
カラフルな渦巻きである少女の目
霧の街停車ボタンを押しました
こめかみをグリグリ八合目ですね
相槌を打つたび溶けていく素顔
茶封筒ふっと薄暮の匂いする
極月やだんだん合ってくる読経
変装を繰り返しでも目立つ耳
白詰草のような一面の文字化け
行ったことのないアフリカの魔除け札
つぶやきを包む最中の薄い皮
それぞれの事情があってイオンまで
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