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January 2024

January 13, 2024

みどり色だから読んでるの?

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そんなつもりじゃないけれど、身の回りには緑色が多い。携帯ケース、メモ帳もペンも。セーターもマフラーも。よくいくcaffe gitaのカップも緑色。そこで、暮田真名『宇宙人のためのせんりゅう入門』(左右社)を読んでいたら、スタッフさんに、「あ、みどり色だから読んでるの?」と言われて、大笑いしてしまった。この本は、きれいなみどり色の表紙。

去年、神戸の句会で暮田さんにお会いしたことがあるが、もう、恐ろしいくらいに才能が駄々洩れしている人だった。

川柳入門というだけなら、たぶん、食指が動かなかったと思うけれど、なにしろ、「宇宙人のため」というぶっ飛んだタイトルに、食いついた。ほんとに読み物としても面白かったし、文学の中でもぜんぜん王道でないから、それがサブカルというキャッチになっていてウケてしまった。

で、作中では、かわいいイラストでクレダと表記されている。この表記から、環境活動家のグレタさんが思い浮かんで、まさに川柳活動家だと思った。

そして、川柳って何かがクリアに書かれていた。

 

 

句集紹介

Sen

年末に届いた秋田の川柳仲間の句集。

斎藤泰子川柳句集『フツー』

題の付け方がかっこいい!

 

好きな句を5つ。

  ただいまと何もなかったように言う

  夕刊があるテーブルに流れつく

  笹の葉がこすれるような胸騒ぎ

  コーヒーは苦いし外は吹雪だし

  もう少し沈めば泥になれるのに

 

今年一番最初に読んだのは、ねじまき句会の仲間、青砥和子川柳句集『雲に乗る』。

日常と非日常の縁にいる雰囲気の小道具が、とってもかっこいい!

魔除けとか耳とか白詰草とか最中の皮とかイオンとか。

 

  手の中の海を息子が見せにくる

  カラフルな渦巻きである少女の目

  霧の街停車ボタンを押しました

  こめかみをグリグリ八合目ですね

  相槌を打つたび溶けていく素顔

  茶封筒ふっと薄暮の匂いする

  極月やだんだん合ってくる読経

  変装を繰り返しでも目立つ耳

  白詰草のような一面の文字化け

  行ったことのないアフリカの魔除け札

  つぶやきを包む最中の薄い皮

  それぞれの事情があってイオンまで

 

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