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May 2005

May 31, 2005

パジャマガール

 先日、東京に行った時にお会いしたきどのりこ先生の新作。「パジャマガール 」(くもん出版)。
 短編3本とも女性が主人公。ジェンダーに関心をもち発言をしているきどさんらしい偏りのない視点で、現在を語り、もちろん面白くて気持ちのいい作品。「パジャマガール」は虐待にあっている少女アッコの、自分の生き方を決めるシーンにホッとする。「天人子」織物の模様に人の運命が見えてしまうモヨ婆の不思議な物語、「風の願い人」では心を病んだ老女のマブイ(魂)を探す少女が登場。厳しい人生だけれど希望がちゃんとあるこんなお話しをわたしも書きたい。

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May 30, 2005

大人のための児童文学講座

 hiko
 ひこ田中『大人のための児童文学講座』(徳間書店)
 子どのもころ読んだ本は、いわゆる名作で「小公女」「若草物語」「赤毛のアン」「ハイジ」「トムソーヤーの冒険」などなど。大人になってからはあまり読むことはなくて、子どもを産んだ後で、子どもと一緒に絵本を読み出したのがきっかけで、幼年向けからヤングアダルト作品なども読むようになったけれど、私が子ども時代に読んだものとは、全然違う色あいの本ばかりだった。子どもの本が大きく変わったんだ! と、驚いたことを覚えている。たとえば、「トムは真夜中の庭で」「かかし」「夜の鳥」「クローディアの秘密」、日本の作家では「宇宙のみなしご」…。昔読んでたものは古典で、ここ10年読んだものは現代作品だというおまかな分け方のできるけれど、それだけでなくて、社会の動きや家庭や子どもの描かれ方が変わってきている。
 ひこさんの読み方の面白さは、なんいっても、『小公子』のセドリックを「もっとも不幸なこども」と、断言しちゃうことろ! 納得です。

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May 29, 2005

風景とオルゴール

 久しぶりに「神戸宮澤賢治の会」に参加。テキストは『春と修羅』の中の『風景とオルゴール』で読書会。
 日付が1923年9月16日の詩が4つ。「宗教風の恋」「風景とオルゴール」「風の偏倚」「昴」。雨の中、散歩にでかけ、雨が上がり、夕刻の強風で雲が流れ、月が出た松倉山を前にしての心象をスケッチし、帰りは電車に乗って帰宅…そんな1日が、詩から読み取れる。賢治が背負っている罪、そして、東京では関東大震災があったばかりなことでも不安感が増している。鋭敏に月と風景に反応し、どんどんイメージは飛んでいく。過去の詩や、友人にあてた手紙なども、詩の中に挟み込まれている。『春と修羅』の山場は、『無声慟哭』『オホーツク挽歌』とは思うが、『風景とオルゴール』の、月に反応する高揚感がとても好き。

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May 26, 2005

銀花

 始まったばかりの大丸心斎橋の戸田勝久展に早速行ってきた。洋と和のふたつの世界を堪能。初日とあって、戸田ファンが多く来ていた。
  25日発売の季刊「銀花」を購入。もちろん、画家の戸田勝久さんの記事があったからだ。絵や陶器の写真、挟み込み絵本までついている。それに、戸田風京都案内もあり、見ごたえ読み応えたっぷり。アトリエの写真には「漱石全集」の俳句の巻が写っていて、なんと、漱石の俳句のファンということが判明! わたしも漱石を再読中なので、個展会場では漱石話をしてきた。大好きなものに囲まれて幸福な一日だった。
  わが恋は闇夜に似たる月夜かな  (漱石)

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May 23, 2005

山ばあばと影オオカミ

ogawa
 20日午後、東京は目白庭園にある赤鳥庵(鈴木三重吉ゆかりの地)で、作者の小川英子さんを囲んで、「山ばあばと影オオカミ」(新日本出版社)の読書会があった。しゃきっとしているようでいて、とぼけてる山ばあばがやってきたことで、主人公のおっとりした太が事件に巻き込まれていく。後半の影オオカミの双影まつりや月夜に色とりどりの提灯の灯りなど、物悲しくも美しいイメージが広がっていく。このシーン大好き。わたしは神戸と大阪でどうしても外せない用事があったため、読書会の終わりの10分ほどしか参加していないが、「影」の取り扱いについて盛り上がったらしい。その後は、「びわの実文庫」(坪田譲治宅)の前を通って自由学園明日館へ。薔薇が誇らしげに咲いている美しい建物の中で、小川さんの出版を祝う会が開かれた。ほんとにほんとに小川さん、おめでとうございます。ますますのご活躍を!
 21日は、いわさきちひろ美術館、子規庵や松尾芭蕉ゆかりの地などを散策。三社まつりがあるというすざましい人出の浅草には行かなかった。子規庵で詠んだ句。
    路地を抜けたら五月の光あふれてる
    藤棚を三本足の猫が行く
    若いへちま 忘れた夢を溜めている
 夜は新宿できりりと冷えたハイネケンとエスニック料理。22日は、のんびり朝寝坊してから、ひろえさんとデート。おいしいビールをいただいてから新幹線で帰神。たっぷり遊んだ3日間。
 きょうは、書き直し原稿と格闘後、まだできないまま鳥越塾へ。こちらでも緊張感あふれる読書会。

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May 14, 2005

戸田勝久展

hagaki
 快晴の土曜日。仕事の原稿が順調にすすんで心も快晴。読んだ本は、北村薫文山口マオ絵『ふしぎな笛ふき猫』(教育画劇)。北村薫の児童向け作品ははじめて見た。もう、猫がいい~。そして夢の不思議にも心動かされます。
 大好きな画家、戸田勝久展のお知らせ。
 
 ●大丸心斎橋(南館8階 美術画廊)
 ●2005年5月25日(水)→31日(火)

 もちろん観に行きます! ああ、今から楽しみでドキドキ!

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May 12, 2005

天啓の殺意

 久しぶりに日本人作家のミステリを読んだ。中町信 『天啓の殺意』 (東京創元社)。
 おもしろさに、どんどんページをめくっていくのだが、作者の思惑通りに「犯人はこいつだ」と、思うたびに、容疑者は死んでいく。最期には、こんな仕掛けだったのか~と、だまされて喜んでしまった。

 夜は川柳教室。
 ギーギギー心が閉じる音がした
 ざんざんと雨が不安を連れてくる
 ふるふると涙の落ちる音を聞く

 君につられてパセリを食べた夏の朝
 緑の風に芯まで染まる 聖五月

 

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May 08, 2005

新開地音楽祭

hasegawa
 さくらさんが出るというので、観にいってきた「新開地音楽祭」。着物で来てという要請にもんぺで行ってしまうさくらさんのセンスが素晴らしい! 絵本作家長谷川義史さん(小学校1年生のスタイル!)のアドリブ紙芝居と、アドリブで音楽を入れるさくらさん(おかんスタイル)の呼吸があってて、おもしろいステージだった。長谷川さんは捨て身のギャグ? 同じ会場ではスズキコージさんがトーテムポールを描いていた。まひろさんともばったり会って、楽しい1日。あ、母の日でもあったのだった。

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May 05, 2005

京のかざぐるま

 風薫る5月。3日まではお仕事。4日は神戸ウイングスタジアムへヴィッセル神戸vs浦和レッズ戦を見に行ってきた。サッカー観戦は初めて。浦和レッズサポーター側にいたんだけれどまわりが総立ちで応援してて、観るためには立たなくてはいけなくて疲れたよ~。でも、ライブで観るとやっぱりおもしろい。夜はおいしい韓国料理梅蘭で夕食後、絶対温館へ。
 子どもの日は、柏餅なんか食べて本を読んで過ごした。安積遊歩・辛淑玉『女に選ばれる男たち』(太郎次郎社) 、『ミステリーズ!』、吉橋通夫『京のかざぐるま』(岩崎書店)。
 『京のかざぐるま』は図書館から借りてきたもの。幕末の京都が舞台。筆師職人、車大工見習、船宿、和菓子屋…。たくましく生きる庶民を描いた短編集。無駄のないすっきりとした文と、主人公の子どもたちが瑞々しく、読んでて気持ちいい。あまりに素晴らしい本なので購入しようとしたら品切れ中。残念。他の作品も読みたくなった。

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May 01, 2005

お姫様とジェンダー

 三砂ちづる「オニババ化する女たち」「昔の女性はできていた」と読んで、若桑みどり「お姫様とジェンダー―アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門」(ちくま新書)に到達。オニババとかは、少しばかり強引な部分が反感をかっていたが、三砂さんの自分の身体のことをもっと知ろうというメッセージには納得。
 若桑みどり教授が女子大でおこなったジェンダーの講義を本にしたもの。授業でディズニーのプリンセスストーリー「シンデレラ」、「白雪姫」、「ねむり姫」を見て、学生に感想を書かせ、それに対する著者のコメントが載っている。分かりやすく親しみやすい本。ただ、学生たちが25歳より先の自分の人生がイメージできないということに、著者は驚いているが、わたしだってそうだった。今だって5年10年先の自分がイメージできない。(それでいいのか?)
 たまたま、ちょっと前に、知り合いと話しているときに、おもちゃ屋はジェンダーの宝庫という話が出たばかりで、そのおもちゃのことが書いてあった。「男の子のおもちゃは、乗り物ロボット宇宙船でおとなになったときに乗りこなしたり研究したりできる。ところが、女の子のおもちゃは、きれいになる、かわいくなる、ステキなドレスを着る、髪の毛をくるくるする」「彼女が愛されるため」「幸福を手に入れるため身体を手入れする」。ほんとだ。

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