川柳大会で城水さんが特選をもらっている姿を見たことがある!
その城水さんの句集『甘藍の芽』。シュッとしています。
水紋を描く四月の偏頭痛
シャキシャキと響く忘れたかったこと
一日の終わりに触れる駱駝の背
非常口辺りで絡む烏賊の足
朝の蜘蛛しあわせなんてこんなもの
ともだちの蓋はやさしく閉めましょう
鳥だった頃の名前で呼んでみる
沈黙を守る舌下の不発弾
騙されていたい桜の虚言癖
ねじまき句会でご一緒している瀧村小奈生さんの句集『留守にしております。』
うるう年の閏日に発行だなんて、さすが「のがのなら」のこなおちゃんだ。はじめて句会でお会いした時のこなおちゃんは、句の腑分けは任せてって感じがして怖かった! 昨年句集を出した青砥和子さんも、とっても丁寧に句を読んで、ねじまきは、ほんとに、リアル句会が面白いのに、もう2年も欠席中…。
好きな句の一部を紹介。
ルーシーがお空で飼っているくじら
三月じゃなくってゼリーでもなくて
完璧の曇り空です。あ、ひらく
琵琶湖見えないけど滋賀県通過中
これからが躑躅やんかというときに
敷島の大和に降らす太田胃散
セロリかじるとかなしい音がするんだよ
きょうは4年に一回の閏日。
神戸上筒井の神戸文学館には、とても思い入れがある。眉村卓とか西秋生の講演会を聞いた場所だから。
その空間で、今年も以下の会を開くことになった。句会つきというのが、面白いかもです。ご参加いただけたらうれしいです。
「時実新子を読む」シリーズは2016年より時実新子の忌日に、新子の作品を年代順に味わってきました。今年からは、新子の作品をモチーフごとにゲストを交えて鑑賞します。第1回は、忌日の由来にもなった「月」の句を取り上げます。ゲストに新子の初期の弟子である樋口由紀子さんをお迎えします。
また、参加者から要望の多かったミニ句会も開催します。句会参加希望者は、兼題の「月」の句を1句、3月16日までにはがきか、メールで神戸文学館までお送りください(必着)。参加のみも大歓迎ですが、投句のみはご遠慮ください。当日、会場で出す席題もあります。
定員50人 申込先着順 参加料:500円
申し込みは神戸文学館まで。
そんなつもりじゃないけれど、身の回りには緑色が多い。携帯ケース、メモ帳もペンも。セーターもマフラーも。よくいくcaffe gitaのカップも緑色。そこで、暮田真名『宇宙人のためのせんりゅう入門』(左右社)を読んでいたら、スタッフさんに、「あ、みどり色だから読んでるの?」と言われて、大笑いしてしまった。この本は、きれいなみどり色の表紙。
去年、神戸の句会で暮田さんにお会いしたことがあるが、もう、恐ろしいくらいに才能が駄々洩れしている人だった。
川柳入門というだけなら、たぶん、食指が動かなかったと思うけれど、なにしろ、「宇宙人のため」というぶっ飛んだタイトルに、食いついた。ほんとに読み物としても面白かったし、文学の中でもぜんぜん王道でないから、それがサブカルというキャッチになっていてウケてしまった。
で、作中では、かわいいイラストでクレダと表記されている。この表記から、環境活動家のグレタさんが思い浮かんで、まさに川柳活動家だと思った。
そして、川柳って何かがクリアに書かれていた。
年末に届いた秋田の川柳仲間の句集。
斎藤泰子川柳句集『フツー』
題の付け方がかっこいい!
好きな句を5つ。
ただいまと何もなかったように言う
夕刊があるテーブルに流れつく
笹の葉がこすれるような胸騒ぎ
コーヒーは苦いし外は吹雪だし
もう少し沈めば泥になれるのに
今年一番最初に読んだのは、ねじまき句会の仲間、青砥和子川柳句集『雲に乗る』。
日常と非日常の縁にいる雰囲気の小道具が、とってもかっこいい!
魔除けとか耳とか白詰草とか最中の皮とかイオンとか。
手の中の海を息子が見せにくる
カラフルな渦巻きである少女の目
霧の街停車ボタンを押しました
こめかみをグリグリ八合目ですね
相槌を打つたび溶けていく素顔
茶封筒ふっと薄暮の匂いする
極月やだんだん合ってくる読経
変装を繰り返しでも目立つ耳
白詰草のような一面の文字化け
行ったことのないアフリカの魔除け札
つぶやきを包む最中の薄い皮
それぞれの事情があってイオンまで
10月20日に「What's」 Vol 5でました。仙台の広瀬ちえみさんが発行人です。
今年、川柳と出会って20年になったことを書いたけれど、そんなに長く続けていたのかと、自分でもびっくりした。
いつも、がんばって句を提出しているのに、手元に本が届く頃には、自作なのに、「いったい何が言いたかったの?」と、聞きたくなるような句が多々あって、びっくりというか残念というか……。20年たっても……うだうだしている。
松の廊下で妹が待っている 凛
水鳥ははばたくユーミンのように
霜月の温泉卵ふっている
エッセイでは平岡直子『Ladies and』を取り上げた。
万が一読みたい方はメールでご連絡ください。
久しぶりの書き込み。
忙しいというよりも、手のかかる親に振り回され中というよりも、このココログがコピー&ペーストができなくて、使い勝手が悪かったのだ。が、「Ctrl+C」と「Ctrl+V」が使えることが分かったので、久しぶりに書き込み。(忘れないように、「Ctrl+C」と「Ctrl+V」をメモ)
11月1日に『Picnic No.10』でました。
一部紹介します。詩歌本の店「満天の星」で、絶賛発売中
幻獣 叶裕
先月、仙台での「秋のブレンド句会」に参加したとき、初めて叶さんにお会いした。
Picnic参加者にはお会いしたことのない方が多い、というか、川柳を書く人は、榊さん、与生さん、わたしの3人しかいない……、と、今ごろ、気がついた!
叶さん、句を、さらりと作っているように見えたのだけれど、いやはやヘビーです。
楽園に酢醤油で食う水餃子
ぼくたちの遠雷ですよおかあさん
アリバイが無くて煮卵売り切れです
SPACE OPERA 木村オサム
こほろぎの棲み処となりしタイムマシン
満月が岡本太郎の顔になる
自転車のサドルにされた宇宙人
人様の 榊陽子
占いに並んだ美しい座薬
見境に注ぐファラオの秋野菜
そうやってシールを貼って汚すのね
Junk 月波与生
油絵の赤はアルデバランらしく
野葡萄を散らしてマントラのオブジェ
眉毛から猿に戻っていく芒
目覚めれば 中村美津子
ゑいもせす竜の髭なら反古にする
えいえんは雨の日のだんだん畑
あさがおの行間にときどきeメール
明ける 松井康子
数式をピューマが走り抜けていく
木耳を刻むかすかに開く森
鹿はいま橋の長さを暮れゆけり
あめふりしぐれの あみこうへい
あたしのあめならかんぜんもくひ
めるかとーるのせかいのままおよぐ
ふこうよりしあわせがすきなくもがくれ
りすとかっとのえらんだそらはまあるいの
ゆむゆむ 羽田野令
犬枇杷まだ硬し遠くにアルタイル
ひややかに神話にかける生たまご
月光に出アフリカのきりぎりす
売ります 岡村知昭
きりぎりす蘇我氏滅びるまで我慢
秋深し深爪同士向かい合い
白彼岸花午後からは曇るはず
「フルーツ」と「昆虫」 梶真久
フルートは学級文庫が大嫌い
桃の産毛が宇宙を掃いている
競歩が終わるまで夏の蝶でいる
青のオーケストラ 鈴木茂雄
かたつむり青のオーケストラの中
紅葉づりて言葉を紡ぎだすところ
朝顔に切り取り線があるらしい
写楽な方法 野間幸恵
要するにGIRAFFEの首を待ちわびて
錆色の月日写楽な方法で
水際のユークリッドの立つ瀬かな
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